秋田杉のカフェカウンター

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久しぶりの更新&仕事の話で失礼します。数ヶ月前にデザインしたカフェのカウンターとして唾付けておいた大五木材さんの『秋田杉』『栓』。事情があってなかなか注文出来なかったのですが、現場に治まるメドがつき、現場の墨だし(床に実寸で間取りを墨で線を入れて実寸法を確認)が出来たので早速、朝一番で社長さんに木の加工サイズを連絡したところ、「『木取り』の確認をしますか?」とのこと。電話をしてすぐ、小一時間後に伺うと棚に積み上がっていた材はすでに写真の様に平場に並べられ、木目を確認出来る様に社長さんが気を利かせてサンダーがけをしてくれているところでした。写真の材が『秋田杉』厚さ80mm×巾約700mm×長さ4000mmの耳付(両端をカットしていない樹皮付)、樹齢150年ものです。杉は和風の建築や内装で良く使われますが、今回はカフェのカウンターです。そもそも和風、洋風、フレンチ、イタリアン、中華、アジアなどなどスタイルで空間を装うのが苦手な私でも桧、杉は木目や質感などで純和風のイメージがあって敬遠して来ましたが、大五木材の高橋社長と出会ってから木に対する価値観が少し変化したのかも知れません。これから加工に出される平場に置かれた材を見て納得&安心。カフェカウンターの空間を支配するの絶対価値なのです。これ以上もこれ以下もありません。

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画像左手から「現場墨だし」「割れ止めの表面塗布材をサンダーがけして現れた木肌」「材の木取り」

このカウンター用の材は必要なサイズをカットした後、残りの中途半端な端材は通常焼却されるのですが、今回は端材は薄く挽いてもらい棚板として使用させてもらいます。そして残りは『森のかけら』として再生するのです。これだけの材を扱わせてもらうと高橋社長の木を大切に使いたいという想いがひしひしと伝わります。

この『秋田杉』は現場に嫁入りする前に、家具加工業者さんが化粧を施します。必要サイズでカット、かんな盤で表面を滑らかに仕上げるのです。そして塗装業者さんが塗装して現場で大工さん、家具屋さんが取付けます。(※今回はちょっとイレギュラーな工程を行うのですが詳細は後日種明かしします。)来週末までにはお店にセッティングされます。

1件のカフェ空間を創るには当たり前ですが、クライアントやデザイナー以外に沢山の工事業者さんが関わっています。電気、空調、給排水、ガス、厨房器具、大工、塗装、建具、金物、そして全ての工事業者さんに手配・管理する監督さん。それぞれ図面をもとに打合せを行い、現場を確認し、予算を決定して施工してもらう行為はどれも大変ですが、今回は『秋田杉』のカウンターを通じて『想い』が『かたち』になる過程をお知らせしたいと思います。

カテゴリー: 1.日々デザイン   パーマリンク

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