白洲正子展会場

IMG_0212IMG_0211今週から始まった展示造作が完了しました。いよいよ主役の作品は来週から展示となります。全ての作品のデータ(章立て順、大きさ、出品元)を頭に入れながら必用な台やケース、表示などを決めて構成していて、無駄な装飾は一切ありません。作品のない会場はとても静かでこれから何が始まるのかも全く感じさせません。

作品の展示と照明によってデザインが完結します。広い展示会場の計画はスケール1/100ミリでレイアウトします。図面上では1センチが現実には1メートルになる訳で、図面は二次元の世界であって空間は三次元です。距離感、立体感は経験によって図面でも掴めます。ここまでは図面がそのまま立体図になった様な、模型の中にいる様な錯覚を起こします。

何度やってもイメージと現実のギャップを埋める調整(想定外の修正)があります。たとえば造作物の仕上げ(色)も作品の為に決めていますが、作品に照明が当たる瞬間まで実際には頭の中の空間(イメージ)であって、これだけは何度やっても理想と現実の差は生じてしまいます。また、私のイメージ通りに出来ても、人によって見え方も空気も当然違います。100%、完璧という答えのない不全の空間。だからいつも理想を追い続けていられるのかも知れません。

会場では作品が主役ですが、何でこの作品の台はこの高さなんだろう、こんな配置にしているんだろう、こんなに暗いんだろう、広い、狭い、高い、低い、などなど作品から一歩離れて背景を眺めて頂くのも美術館を鑑賞する一つだと思います。

図面

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