今年11月にオープンした食品スーパーは五十崎の中心部にあり、外装とともに改装しました。明治時代は500件近くあった手漉き和紙の産地、節句の凧揚げで有名な五十崎ですが、銅山として昔は栄えており、この店舗のあるメイン商店街もかなり栄えたそうです。薬局、パチンコ、スーパー、、、いろんな業種のお店として使われたこの建物は老朽化以上に改築によって様々なダメージを受けていました。今回、スーパーを経営する店子として店主が「五十崎を元気にしたい!」そんな想いでこの店で計画がスタートしました。
ありきたりの表現で恐縮ですが、左写真がビフォー、中央写真がアフター。昔のイメージは全くなくなってしまいましたが、五十崎の旧家で使われている「焼杉」の腰板、漆喰調の外装にベンガラ色を彷彿させる赤茶色で設えられています。唯一この建物(築100年以上経っていますが)の昔の面影が残っているのが店舗の天井の梁と床板。馴染んだベンガラ色が今回の工事でプリント化粧の天井板を解体して数十年ぶりに姿を表しました。それまで悩んでいた店舗のイメージカラーはその瞬間に決定しました。
この店舗は同じ五十崎で和紙の開発に取り組んでいるリフォーム&建設会社さんが施工しています。クリスマスをさりげなく和紙で演出できればと一緒に開店祝いに飾らせて頂きました。
古建築の保存は大切ですが、問題はどのように建築を活用するか?リノベーションの方法が問題です。
Design/S DESIGN STUDIO