砥部焼1

e999b6e7a596e383b6e5b2a1松山市の隣町、中心部から車で30分とかからない砥部町は砥部焼の産地です。昨年まで砥部にある愛媛県窯業試験場の嘱託に行っていたこともあり、砥部焼の窯元さんの知り合いが多いのですが、全体で100件近くある窯元さん全てはさすがに回りきれていません。砥部焼は白磁にゴス(藍色)の染付けが基本で、そのほとんどが手作り(ろくろ、手描き)で生産されています。磁器の原料となる陶石は総津(砥部町内)で産出されており、砥部の磁器は砥部の土で出来ているのです。

愛媛県では砥部焼きを知らない人はまずいらっしゃらないと思いますが、多くの方は30年程前の唐草模様の厚ぼったい焼物をイメージされているのではないでしょうか?割れにくい、重い、などいろんな声を聞きますが砥部に行かれるとそのギャップに驚かれます。現在、砥部焼の主流は生活食器。茶碗、カップ、小鉢など様々な食器は沢山の窯元さんが自社のオリジナリティーを競い、「砥部焼はどれ?」というくらい沢山のデザインで溢れています。

知人によく砥部焼はどの窯元へ行けばよいのか?と聞かれますが、まず砥部の歴史を知ってもらうために「伝統産業会館」を紹介します。ここでは古砥部(磁器ものの初期)から現在に至るまで沢山の作品が展示してあり、じっくり見ていただくとかなり丁寧に砥部焼きを説明しています。2階では窯元の商品販売もあり、初めての方でも窯元の紹介や商品について説明してくれます。また、国道沿いには「陶芸館」「観光センター」といった量販店もあります。

砥部焼も他の商品と同様に窯元(生産者)からお客さん(消費者)へ直接販売されることは少なかったのですが、ここ数年各窯元さんが直接ショップを構えたり、販売しているケースが増えて来ているようです。年に1度のビッグイベント「砥部焼まつり」では窯元さんが対面販売をされたり、hpやブログでPRしたり消費者に対しての露出が大きくなりました。「景気が悪くなったから売れない」ではなく、売れるために何を作ればよいのか?各窯元さんが模索された結果が現在の多様なデザインになったのではないかと思います。

全てとは言いませんが、砥部焼は手作り。砥部の磁器土を使い手描きの染付け。が基本だと思います。施釉と染付けの色、形状こそどんなに多様なデザインであってもよく見ると同じ商品でも一つ一つ表情が違っているのが分かるでしょう。

松山市内でも砥部焼を販売しているところが少なくなりましたが、観光客も県内の方も松山と砥部はすぐ近く。是非砥部へ行って砥部焼散策されることをお勧めします。

カテゴリー: 4-3.窯業   パーマリンク

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