水引の未来を考える会1

kaigi1今日は薄雪化粧の山沿いの高速道路を東へ約100キロ、車を飛ばして四国中央市へ。昨年から伊予水引金封協同組合が行っている研究会にアドバイザーとして月1回のペースで参加させていただいています。この研究会は愛媛県産業技術研究所紙産業技術センターのサポートで開催され、業界の抱える問題、組合の活動など様々な意見交換の場でもあります。

ウィキペディアで水引を検索してもこの程度の説明しかされていませんが、水引は祝儀袋や香典などコンビニでも売っている「金封」と結婚の「結納」で使われる水引細工の大きな二つの用途があります。長野県飯田市が産地として有名ですが、愛媛県四国中央市飯田市を上回る出荷額を誇る産地です。四国中央市として合併する前は川之江市と伊予三島市が愛媛の産地だったのですが、現在は隣町同士の業界と市がそれぞれ合体し、紙のまちを支えています。私も年に必ず数回は利用させていただいている金封、日本全国どこでも生活必需品として利用されていますが、金封の歴史は浅く、やがて現在の量産型の製品として市場に定着しました。一方手作り伝統工芸技術に特化した水引細工は結納用として需要がありましたが、現在では結納を行わないケースも多く、匠の技を後世に伝える後継者不足も深刻です。量産と手作りの二極化した業種とそれを流通させる業種、素材生産している業種が集まった組織が伊予水引金封協同組合です。

私が伊予水引と出会って10年近くになりますが、当時から水引の啓発に頑張っていらっしゃる企業さんも多く、地元の学校や施設に出前ワークショップを行ったりイベントの出展など、企業としての取組みというより産地のPRを頑張っていらっしゃるのですが、量産と伝統工芸に特化した商品が産地イメージを伝えるブランドとして愛媛でもなかなか浸透、定着するまでには至っていない様な気がします。研究会の具体的な内容はお伝え出来ませんが、元気に頑張っていらっしゃる企業さんと誰が見ても美しい素材「水引」は現在の市場だけでなく、新たな市場を開拓出来る可能性は高いと思いますし、期待しています。

kesu ushi1 kanai1

写真は参加された企業さんが作られた水引細工、製品です。左から水引キット「携帯ポシェット」キットと完成品です。私にも挑戦して!と頂きましたが。。。中央は干支モノ細工「牛」、残り「寅」で一回り完結するそうです。写真右手は古代五色の水引で結んだ「叶い結び」実は10年近く関わっていて今回初めてこの結びを知りました。とても奥行き(物語性)のあるこの結び、次回ご紹介したいと思います。

カテゴリー: 4-4.水引   パーマリンク

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