伊予郡砥部町の中心部は60件もの窯元が集中し、砥部焼の里と呼ばれています。江戸時代後期に砥石くずを使った磁器の制作が今の砥部焼の始まりと知られていますが、
それ以前にも陶器、須恵器、土師器など焼物作りが行われていた地域です。大西陶芸のある北川毛は陶器を作っていた地域だそうです。また、創設者(現会長)の大西光さんは徳島の大谷焼の出身で30年前に砥部で窯を起こしました。ぽってりとした白磁にゴスの唐草模様が今でも砥部焼のイメージが根強い砥部焼ですが、大西さんは砥部の磁器土と手作り(ろくろ、染付け)という砥部焼スタイルを踏襲しながら自社オリジナルの作風にこだわり、イッチンのぶどう柄・椿の削り出し・梨地の施釉など砥部焼らしくない作品を手がけていらっしゃいます。
大西さんとの出会いは砥部の商店街に自社店舗を出店する相談でしたが、砥部に来られるお客は作っている窯元に行きたいのに別な店舗を作るのはどうか?と丁重にお答えしたことから商店街から数百メートル離れた工房にショップを併設しました。工房は忙しくてもお店に行くと手を止めて丁寧に説明してくださりますし作業場も気軽の案内してくださるのですが、窯元は敷居が高いとか、忙しいから相手にされないなどといった誤解がまだまだ多いのが現状です。そこで店舗はネガティブな要素を払拭し、明るく自由なイメージにしました。作業場の染付けの工程は2階に移動し2階に展示している作品も自由に見ながら、気になればすぐ近くのスタッフに声をかけることが出来ます。