今治市しまなみ海道の一番目の島、大島にある千年松さんは来島海峡で地元漁師がとった新鮮な魚をおまかせ料理で食事が出来る料理どころで有名ですが、来島海峡の向こうに今治市街、石鎚山を眺めながら湯船につかる「満天の湯」、15室の宿泊客室もあり、四季を通じて海景色を楽しめます。今回その客室のうち4部屋をリニュアルしました。
枕草子をテーマに四季の移り変わりを和紙と漆喰で設えました。企画・総合監理は千年松さん。漆喰の鏝絵は地元の左官さん作、和紙制作は中岡建設さん、和紙デザイン・創作・インテリアコーディネートをエスデザインスタジオが担当しました。4部屋全て内子五十崎和紙オリジナルの紙縒り和紙を使用し、季節感を表す桜、紫陽花、紅葉、スノーダストなど様々なモチーフを表現し。一部屋一部屋全て表現の違う「特別な場」の為に制作しました。「フットライト」「壁面照明」「天井照明」昼間は壁面・天井の一部として、日没から夜にかけて部屋のあかりは全て和紙を通して部屋を柔らかく包み込みます。※花弁、色、テクスチャーなど全て和紙を使用しています。鏝絵は千年松から見える日の出から日没までを表し、砂浜を表すカラマツ材は大五木材さんの協力で納めることが出来ました。
春はあけぼの」
「菜の花」「あけぼの」「桜」をモチーフにした紙縒り和紙照明と桜の花をあしらった洗面鉢、メジロの雪隠窓、全て内子五十崎和紙の中岡建設さんと恊働開発しました。
夏は夜
「紫陽花」「天の川」「蛍」をモチーフにした紙縒り和紙照明。夏の海を表した洗面鉢、ツバメの雪隠窓をデザイン・制作。
秋は夕暮れ
「紅葉」「夕暮れ」「薄」をモチーフにした紙縒り和紙照明と紅葉をあしらった洗面鉢、もずの雪隠窓をデザイン・制作。
「冬はつとめて」
冬はスノーダスト、雪が舞落ちるイメージを千年松ビーチに打ち上げられた「アブラ貝」を紙縒り和紙に漉き上げました。琥珀色に透ける貝殻は冬景色を表しながら温かく部屋を包んでくれます。
この部屋の漆喰の鏝絵は大木を表現し、サイドボードのバックからたき火をイメージさせるあったかいあかりがアクセントとなっています。
高橋様、コメントありがとうございます。各部屋のサイドボードの引き出しには「枕草子」文庫本がひっそり入っています。それ以外は一切、この部屋のテーマも何も伝えていません。鏝絵の背景として設えさせていただいた大五木材さんのカラマツ材も千年松さんの「物語」の一つとして、お客様がどの様に感じてくださるか?今後の評価を楽しみにしています。sano
素晴らしい出来栄えですね!図面からはここまでとは想像できませんでした。是非本物を見にいかせていただきたいと思います。照明とかが入ると全然変わるものですね~!さすが、本領発揮ですね!