昨年、mono logに掲載された「紙縒り和紙照明」が「感性価値創造ミュージアムin KOBE」に出展することになりました。この照明器具は14年程前にデザインしたものですが、2年前に内子商工会五十崎支所が取り組んでいたジャパンブランドの和紙製品の一つとしてリデザイン,内子町の中岡建設さんと製品化したものです。
きっかけは県内の出版社の雑誌の特集で産地産業とデザイナーが作品作りに取り組む特集のためでした。当時、イサムノグチの照明(あかり)を超えるデザインは到底無理。と躊躇しましたが、周桑和紙の山本屋さんと出会い、この照明の原型が出来上がりました。
この和紙照明にはフレームがありません。紙風船の様に正八面体に膨らませた状態で中に金属の突っ張り棒があるだけです。また、この和紙は立体漉き(と私は呼んでいますが)正八面体の状態で和紙を直接漉き込んでいて、紙縒りに楮繊維が絡まって出来ています。複雑な工程の全てが手作業の為量産出来ないため、メーカーの既製品の様にはいきませんが、現在販売も出来る様になりました。
この照明を製作している中岡建設さんはもともと建設・土木事業をされている会社ですが、現在は和紙・リフォーム事業にも取り組まれ、店舗・宿泊施設・住宅・マンションなどインテリア工事と和紙製品作りをしています。特に物件対応で開発したオリジナル和紙はバリエーションやノウハウも増え、そろそろ商品化に向けて開発をしようとしています。