今月オープンしたイズムの入口に入って気がついた方も多いと思いますが、床の踏み板には今治市の菊間瓦を使用しています。また、正面には江戸時代の鬼瓦がさりげなく展示され、店内の鯱も商品の背景として愛媛のいいモノを紹介しています。これらは全て「えんとつ工房・はませ」さんのご協力で設えさせていただいたものです。750年の歴史があり、地域ブランド認定を受けた「菊間瓦」は今も屋根材を中心とした在来の製法、製品を作り続けていますが、はませさんは筒状に成形した生地に文字入れを行い、庭園灯や行灯、インテリア小物の市場にシフトした製品を作られています。切り抜かれた文字から灯りが漏れる行灯はいぶし銀とぴったりマッチした独特の世界です。
新建材の屋根材の需要が増え、長引く不況で建材業界も需要が減り、瓦屋根は全国的に厳しい状況と聞きます。一軒の住宅で何百枚、何千枚という数が一度に売れる瓦ですが、一つ一つオーダーで作られる行灯やインテリア小物に取り組まれるはませさんにはこれからの菊間瓦の「あらたなスタイル」の可能性を感じます。