花茣蓙(ハナゴザ)〜イグサと糸が織り出す世界

諏訪愛媛のものづくりで県外でも一番良く知られている「今治タオル」最近でジャパンブランドに取組み、今治タオルのブランドマークの商品も良く見かける様になりました。実は私が一番縁がなかった業界でもあります。これまでタオルは大型織機で量産しているイメージがあり、手仕事、手業の世界とは無縁と思っていましたが、どの業界にも創業から現在まで、技術や機械の進化があり、原点は人の手です。織機も織座さんの様に機械だけれど、昔の織機の良さにこだわり、量やサイズの制約があるけど旧式の機械から生み出される「テクスチャー」「風合い」にこだわる企業さんがまだまだいらっしゃいます。

今治の諏訪紋匠さんもその一つ。タオル業界には無くてはならない製品を作られている企業さんです。諏訪さんのホームページに詳しく説明されていますが、縦糸に横糸を通す動作を繰り返して織物が作られますが、機械化によって量産が可能になりました。それは複雑な模様や織り方を実現するために必要なのが糸を制御する「紋紙」を発明したことによって実現出来たのです。1805年にフランスで考案された「ジャガード織り」の技術を明治5年に日本に持ち帰った子孫が諏訪さんです。ジャガード織りによる花ゴザの生産も50年程前から行い、5代目の諏訪紋匠さんのところでは今も織りの設計図でもある紋紙の生産をされています。

前置きがながくなりましたが、写真は諏訪紋匠さんが開発した花ゴザの表情です。諏訪さんが独自に開発した技術でイグサの張りと糸の柔らかさが絶妙のバランスで織り込まれています。写真は沢山あるパターン(織り方)の一つ、紋紙によって無限の表情が作られるのです。

美しい素材と出会うと、ついこんなものあんなものと形が思い浮かび、イメージが膨らむデザイナーの血が騒ぎます。しかし、諏訪紋匠さんの花ゴザはそのまま、今の時代に十分通用する商品です。近日中にえひめイズムの店頭に並ぶことになるでしょう。

カテゴリー: 1.日々デザイン, 4-6.繊維   パーマリンク

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